「水仙の 香やこぼれても 雪の上」
加賀千代女(かがのちよじょ)
ギリシアは花が少ないと聞いたことがある。気候は温暖だけれども、雨が少なく、土壌が痩せているらしい。
というわけで、小さな平凡な花でも珍しがられ、たいそうな神話がまつわり付く。ナルシスなる美青年が水仙になったという。
「まさか」
と、日本人は思う。水仙ならそこらへんに無造作に咲いているではないか。
*「水仙の香や」
この「香」は「かおり」と読むと長くなるので、やはり「か」と読むのでしょう。
菊の香や奈良には古き仏達 芭蕉
きくのかや ならにはふるき ほとけたち
というのもある。