ふむ...

やおういかんのぅ

ウクライナ疲れ

ウクライナはどうなるのか? 現在の情勢はどういう方向に向かっているのか? どちらが勝つのか?

こんなもの、時間が経てば、というのはその時が来れば、分かるこですね。まぁ、たしかに今の情勢を知って、予測をしてみたくはなりますが、これがなかなか難しい。

で、頭を悩ましても、損だ。「その時が来れば分かる」ということだ。

どうやら、ウクライナに勝ち目はなさそうだ!

ウクライナの兵たちに、「戦争に嫌気がさしてきた」という心理も、あるのではないか……。

なにも「勝つ」ことだけがすべてではないし!!!

  まぁ、私の場合は、どちらにも勝ってほしい、というところなのですけどね....。

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フィクション・三者会談

三者会談  または愚人の奇遇

20226月某日、下のような会談があった。三人は普通の丸テーブルを囲んで座っている。



(平=平和主義者、プー=プーチン、バイ=バイデン)



平  「何とか戦争を回避する道は、きっとあった。にもかかわらず、戦争という安易な方法を選択した。それは誤りでしたね、プーチンさん!」



プー 「評論家は皆そういうことを言う。しかし、実際に政治を行う人間は現実に即して動かなければならない。黙って見過ごすことが出来ないときは、戦争を断行しますよ。そして、今回がそうだったのだ。アメリカはロシア人を侮辱し、脅し、じわじわと潰しに来た。われわれはそれに対抗したんだよ」



バイ 「何を言っているんだ、プーチン君よ! われわれアメリカ人はロシアの社会がもっと自由になってほしいと願っているだけなんですよ。だれもロシアを潰そうなどとは思っていません」



プー 「否、ニエット、君たちアメリカ人は《自由》という題目を掲げてあちらこちらで国を潰し、国民から誇りを奪い、人民を不幸のどん底に陥れたよ。最近ではイラクが君たちの言う《自由》のお陰で潰れました」



平  「イラクでは独裁者がいなくなり、平和が訪れようとしています。まぁ、徐々にではありますけど」



バイ 「付け加えて言わせてもらえるなら、プーチン君、サダム・フセインの背後にいたのは、実はロシアではなかったのですか? 表に明らかには出ませんでしたが、フセインはロシアからの暗黙の支持を感じていたふしがありましたよ」



プー 「そうやって他の国に言いがかりをつけ、貶め、イメージ操作をするのがアメリカ人の《自由》の《正体》なんでしょうな。それはともかく、アメリカはそもそも何のためにウクライナを中途半端に応援するのか? スラブ系の人間同士を戦わせて、双方が力を消耗し、人口が減り、弱体化すれば、アメリカは万々歳というところでしょうか? その昔、北アメリカのインディアンの部族をけしかけて、部族同士を戦わせて、双方の力が衰えたところで星条旗を掲げた騎兵隊がやって来るという、あの伝統的手法ですか? 見え見えですね。アジアでもそれをし、中東でもしていますよ」



平  「その点では、鋭い知性のプーチンさんの見方が正しいように思われますが……」



バイ 「歴史の上ではたしかにいろいろなことがありましたよ。しかし、それもこれも大きな《自由》と《繁栄》のためではありませんか。未開の国々では抑圧と不平等が日常になっていて、それを為政者は見て見ぬふりをし、しかも人民も不平等に慣れて、その中で居心地の良ささえ感じていたりしますよ。人道の観点からして誰が黙っていられるでしょうか? それに、大きな集団を治めるには、分割して統治する divide and rule が基本の鉄則ですよ。集団の内部に仲間割れを作り出し、分断する。そうして互いに消耗戦をさせること。そうすれば、こちらにはあまり損害が生じません」



プー 「驚くほど、というか馬鹿が付きそうなほど正直な人ですね。しかも、それが唾棄すべきエゴイズムだということに気がついておられないとは!」



バイ 「ところが、プーチン君、これは博愛主義から出ているのです。自由と民主主義を広めようとしているだけなのですから」



平 「目的が崇高なら、手段は少しぐらい汚くても許されるということですね。しかし、今日では、手段は目的によって浄化されると考える人はいないでしょうね」



バイ 「それを言うなら、相手が違います。毒を盛る名人、プーチン君に対してこそ骨身にこたえるほどそれを言うべきでしょう、目的は手段を浄化しないと。ここでは具体的には指摘しないでおきますが……」

 

平 「リトビエンコという内部告発者がロンドンで毒殺されました。《何者かによって》ですが、バイデンさんはそれをプーチンさんの《指令》が出ていたのだ断定するのですね」

 

 

プー 「それこそ西側の《自作自演》です。西側はあらゆる手段を使ってロシアの内部に仲間割れを作り出そうと試みます。がしかし、いつも失敗します。結局、それはあっさり言えば、もともと汚らわしい利己主義から出ているからでしょう」

 

 

バイ 「アメリカ人の良い点は、批判は批判として受け入れるところです。たしかに、時には利己主義的な面もあるでしょうね。なるほどイラクではまだまだ、平和も民主主義も十分には育っていないでしょう。しかし、アメリカが介入して良い結果が生じた例もあります。アジアの日本です。日本は平和で豊かな、そして自由な民主主義の国に生まれ変わりました。アメリカの生み出した成果でしょうね」

 

 

平 「そうです。日本はアメリカのお陰で平和な国になった一例でしょう」

 

 

プー 「重要な点、イラクがまさに不幸に陥っているという点をさっと流しましたが、そこですよ、問題は。アメリカが介入し、侵攻した。自国の利益のために。もしそれが、大きな《理想》ゆえに許されるなら、ロシアのウクライナ侵攻も《ロシア国民の救出、ロシアの安全と幸福》という《理想》から行われているのですから、許されるはずですが」

 

 

バイ 「ロシアの侵攻のどの点に、自由と民主主義という《理想》が認められるのか、ちょっと伺いたい。むしろ、正反対、ウクライナ人民の抑圧、差別、虐待、非人道ではないですか」

 

 

プー 「アメリカもイラク人を殺し、差別し、虐待しましたが、それは無かったということでしょうか?」

 

 

バイ 「《自由》のためじゃないですか? 現在のウクライナ侵攻にどんな理想があるのですか?」

 

 

プー 「ロシア人が虐待されている現実、ロシア人が脅かされている情勢を(ああ、そうですか。どうぞ、どうぞ)と黙って見過ごすわけにはゆかないのですよ。もし、ここで大人しく《抗議の意の表明》ぐらいで済ましていたら、ますます図に乗って来るでしょうから、あなた方は、そしてNATOは。そうしたら、取り返しがつかないことになります。ロシアの歴史が終わってしまいかねないでしょう」

 

 

バイ 「逆に伺いたい、どうしてロシアは自由と民主主義の新しい歴史を作ろうとしないのでしょうか? 戦争と抑圧という暗い、おぞましい過去の歴史ばかりを繰り返す代わりに……」

 

 

プー 「アメリカはどうしてもロシアを世界最大の《悪者》に仕立て上げたいようだ。そうして、ロシア人を差別し、糾弾し、抹殺したいらしい。しかし、世界は見ていますよ。今度の戦争を仕掛けたのは、実はアメリカのバイデンだと、そしてどうやら最低の人間は、ロシアのプーチン、つまり私ではないようだと」

 

 

平 「水掛け論をしていても始まりません。今は、戦争を止める知恵を探る時ではないでしょうか?」

 

そこへ、偶然通りかかったと言って、日本の、病気で退陣した安部晋三が割り込んで来た。

(あ=安部)

 

あ 「廊下を歩いていたら、何かアジアの日本がどうのこうのと話し声が聞こえたので飛び入りました。ハロー、バイデンさん、そしてウラジミール、ズドラーストヴィーチェ! 何はともあれ、大ごとになりましたね! さて、私の立場はですね、夢見る平和主義者ではなく、行動する平和主義者です」

 

平 「平和主義にあれこれ修飾語をつけるのは、すでに平和主義とは言えないですね。平和主義はたった一つしかありません。《これしかない》と選択されたもの、それが平和主義の道なのですから」

 

プー 「シンゾー、君はあいかわらずつまらない観念論を持ち出すから揚げ足を取られるのだよ。日本ではそこまで平和ぼけが広がっていることの現われでもあるのでしょうが……」

 

バイ 「まぁ、仕方がなかろう、ミスター・アベはうちの国のトランプに”べったり”くっついていたぐらいだから、世界の情勢、時代の方向というものがまるで見えていないのですね。民主主義と利己的民族主義の区別がつかないようです。世界の大きな流れがどちらに向かっているか、見えていますかな?」

 

あ 「私に観念論者というラベルを貼るのは、控えてもらえないか、ウラジ! 私は自分が病気を経験したこともあって、一段とがりがりのリアリストになりましたよ。また、もちろん私は世界がよく見えていますよ、バイデンさん」

 

平 「この人の言っていることが良く分からない。でもまぁ、話は聞きますよ」

 

あ 「私の立ち位置はですね~、武力による現状の変更は不可、ですね」

 

プー 「武力、武力と恐ろしいもののように言い立てるけれど、経済の力で他国を支配しようとする汚い手も、もしかしたら武力よりはるかに殺人的ですね。世界中の貧しい国々で人々が飢えや病気でいとも容易く死んでゆきますが、それはまさに富を独占している西側諸国の犯罪に外ならない。これまでにそうした死者が何人存在したか! まず何億人という規模でしょう」

 

あ 「それこそが、観念論ですね、ウラジ」

 

バイ 「アベ、君が割り込んできたお陰で議論が混乱してきた」

 

平 「今回の戦争、実はアメリカが最初に仕掛けたのだという見方については、アベはどう思うのですかな?」

 

あ 「そういう見方をする人は、実は日本の政治研究者の中にも、そしてまた米国にも、いますよね。そして、アメリカがいち早く、直接ロシアと戦争はしないと宣言したのは、実は自分たちがロシアを挑発した張本人であることを、世界の目から隠すためだったのでしょう」

 

「ここに切り抜きがあります」と言って、アベはポケットから下のような切り抜きを取り出した。

 

 

 

バイ 「見当はずれもいいところだ」

 

プー 「シンゾーは意外とよく見ているね。しかし、その君が、今回の戦争から一般論を引き出して、

ロシアが脅威だ、暴挙だ、と盛んに触れ回っていると聞いたけど」

 

平 「日本には、ロシアは《恐ロシア》という妙な合言葉があるみたいですね」

 

プー 「ダー、その通り。すぐに一般論を引き出し、ロシア脅威論という観念論に囚われるのでしょう。シンゾーよ、そんなことではリアリストとは言えませんよ」

 

バイ 「いいことを思いついたよ、ミスター・アベ! 今度世界中で、《ロシアは恐ロシア》という大キャンペーンを展開しようじゃないか!」

 

平 「何の役にも立たないでしょうね」

 

プー 「発想がすでに老害政治家のものだ」

 

 

ーーー 続く ーーー

 

 

 

 

 

 

 

ふむ、ふむ、「漁夫の利」か……

早く戦争をやめてくれ!

まぁ、こういう叫びが世界中で聞こえるわけだが、それはどうも叫びだけで終わっている。

だれも本気で戦争をやめさせようとしない。「まぁ、仕方がないんですよ」と本音が漏れる。

なぜ本気にならないのか? 

どうやら戦争のどさくさを利用して「漁夫の利」を得ようと狙っている者がかなり多くいるらしいからだろう。

当のアメリカ自身がウクライナの一般市民のことを考えているのかどうか、疑わしい。600万人もの避難民が見えていないのか? 武器を援助し、この際ロシアが弱体化したら好都合と、口に出しさえしている。

「漁夫の利」の発想でしょうね。

while two dogs are fighting for a bone, a third one runs away with it

der Dritte lacht 第三者が笑う

まぁ、笑ってはいないでしょうが、「まずまず悪くないね」ぐらいは思っているのでしょう。

日本人の中には、この際ロシアが弱体化して、北方領土も手放してくれるのではないかと、淡い期待をいだく輩もいるかに見える。

捕らぬ狸の皮算用」もいいところでしょうね。

Man soll den Tag nicht vor dem Abend loben 日が暮れる前に一日を誉めるんじゃない!

 Don't count your chicken before they hatch 卵が全部ニワトリになるとはかぎらないぜ

ところが、戦争の現場では、何万人もの兵と市民が死んでいる。報じているところによれば、弾が頭に穴をあけ、子供は即死したとかも。(近くを通りかかった者は、花を手向けて悼んでくれよ!)

利に目がくらむと現実が見えないのだろうね!

どちらも悪い

仮にだけれど、日本と韓国とが何かのことで言い争っているとする。そうすると世界の大半の人は、「どちらも悪い」と、冷めた目で公平に判定をくだすだろう。


さて、ロシアとウクライナ。「きっと、どちらも悪いのだろう」と私は見ている。